( チーム・ブルー … アフター ) ミシェルは肘をすりむき、 顔を少しはらして帰ってきた。 悔しさで涙が止めど無く あふれる。 くやしくて、 にくらしくて、 でもほんとは……  ( なにさ、 あんたが釣れないからちょっとウサをはらしたかっただけじゃ ない!! )殴られる前にブルーに言ったセリフが、 頭をはなれない。 リビングで、 クリフが壁に寄りかかって立っていた。  「 …なんだ、 かえってたの… にいさん。 」伏し目がちのミシェル。 「 なぜ、 バラした… 」厳しい表情の、 クリフ。 「 ふふ! なんのこと? 」とぼけるミシェル。 クリフにはわかっていた。 彼女の本当の気持ちが…  女以上に女を知りぬいた 身である。 しかも妹のことならなおさらだ。 今日こそは、 言うべきだった。 「 おまえも、 チームに入れ。 」 「 はあ?  何を言い出すのよ(笑) あたし今さっきアイツに殴られたの見てたで しょう? 冗談きついわ… 」 「 俺は、 言ったぞ。 」 「 だから、 なにをさっ!! 」 「 お前が一番知ってるだろう。 」 「 わからないわよ、 電波系はやめてよ、 兄貴!! 」 彼は、 無言で立ち去った。 いや、 そのすぐあとには… 「 いやあだあ(はあと) 今日もたいへんだったわあ! つかれちゃった… 」 ミシェルはそれ以上の追及をあきらめた。 こうなった兄はもう崩せない。 釈然としない気持ちのミシェル…  数ヶ月後、 ミシェルはチーム・ブルーの一員になっていた。 兄の助言通りに。 ( 吹っ切れたのね、 私 ) … あの時のことを思い出しながら、 彼女は そう思った。 多少親父くさく迫って来るごろつきはいても、 いつもブルーの そばにいられるのだから。 ( あいつのためならスパイだってたらしこみだってするわ!! ) とにかくも生き生きとしている妹に、 優しげな視線を送るクリフだった。