(四千年ノシンピアルネ!) とんとんとんとんとんとんとんとんとんととんとんとんとん 「おい、あれは…」 「ああ、このふねのスフィクスとか言うひとだよな 」 「ばーか、ひとじゃねえだろ!」 「でも外見じゃわかんないんだから、いいじゃん」 「ま、な」 ここはリヴァイアスの厨房。 ネーヤは突然やって来たかと思うと、一流料理人の 手さばきで料理をはじめたのだ。 「しかしよぉ(汗)」 「ん?」 「汗ひとつかかねェ上に、顔色ひとつかえねェゼ…」 「そういや、なんか不気味かも…」 (じゃーーー!! かこんかこん!!! じゅわぁ!!) 「おい!今のみたか!?」 「え、なになに」 「顔にもろ火がかかってたぞ!」 「そんな、まさか(汗)」 「ほれ!あれぇ!!!」 (ぼぉぉぉぉぉ!!!!) もう普通の人間なら大やけどの感覚で火を浴びながら、中華ナベをふるうネーヤ。 しかもじつに無表情だ。 「なんでどこも焼けねえんだよ、あの子は!」 「さすがは素でゲドゥルトに入れるだけはあるなァ…」 とんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんととんとんとんとんとんとんとん 「ぐげぇ!!いま、いまぁ!!」 「今度はなんだよ?」 「指を、指を切りながらキャベツも切ってる…」 「ほ、ほんとだぁ…」 「…なんかさ、わかってても怖いな、あれ見るの…」 3人「うんうん!」 ネーヤは自分の能力をフルに生かして料理する。モチロン、豆腐は自分の手ごと 「サクッッ」 と切ってしまうし、からあげを揚げるときも、 「じゅわわわっ」 と手ごといれてしまうのだ。でも、包丁などはしっかりとにぎっているから、不思議であ る。 (チーーン!) 「ぐわぁ!そ、それだけはぁッッ」 「ま、まじかよ…」 こんどはオーブンから焼き立てのピザを「素手で」とりだし、さっそく「ぱく」 と試食してしまう彼女。(注: 何百度の高温です) 「 …イケル …ウン 」無表情だからほんとなのかよくわからない。 「な、なあ…もういこうぜ」 「うん。命がちぢむよ、あれみてると…」 「いこ…」 昴冶は作業を終え、疲れを癒してくれる夕食にありつこうと食堂に向かっていた。 途中、つかれはてた表情の3人組にでくわしたが、気にもとめなかった。 そして、食堂にはいって呆然とする昴冶。 (どん!) 席につくなりネーヤが次々と料理を運んでくる。和、洋、中さまざま、しかもまるで 高級レストランのような豪華さだ。 「あ、ありがとうネーヤ… でもさ、こういうひいきみたいなのはちょっと(ひきつり)」 「…ガンバッテツクッタノニ(泣)」 「わ、わかったよ!たべる、たべるからね! 泣くなよ…(汗)(どうもこの間パーティで 来てたシェフとリンクして覚えたみたいなんだよな…どうでもいいけどさ)」 「でも、でもさ」 「ナニ?」 「こんな食堂のテーブル全部うめ尽くされても、全部はちょっとぉ…」 そう、一つ覚えのネーヤはパーティでの料理の工程を忠実にこなしていたのだ。 「…イッショケンメイツクッタノニ(涙…でも無表情)」 「せめて、せめてみんなで…」 「ツクッタノニィ!(涙)」 「……わかった、わかったから…」 「タベテクレルノネ!」 「善処します…(ふうぅぅ、このじらし方は和泉だな…… たまんないよ、面倒な性格ば っか覚えるんだから、もう!)」 「ソンナ!ヒドイヨ! ネーヤハ昴冶ニトオモッテ…」 「あああああ! いや、ただのじょうだんだって、うん!冗談! ははは…」  強く思うと読まれてしまう事をすっかり忘れていた昴冶。さて、はたして彼は食堂から 帰れるのか!?