かわる にちじょう 1  ( …うーーんんっ… よく、ねたあ…   あれ、イクミがいない!!  )  その日の昂冶のあさの目覚めは、 最悪だった。 目を開けて見ると、 どう言うわけ か士官部屋に自分がいて、 しかもチーム・ブルーの面々がだらしなくそこら中に寝転がっている。 ( うわあ! いいのかよミシェルまでそんなカッコで… へそくらいさあ……    ってなんでおれ、 ここに! ) そして彼は、 頭痛がする事に気づいた。 ( う… 正月にお屠蘇飲んで祐希をノしちまったとき以来の感覚だな、 コレ…  ) そう思いおでこに手を当てた瞬間、 彼はある「 異変 」に気づいた。 ( あれ、おれ… なんで頭に布なんか巻いてんだろ、 ばっかみてぇ… まてよ、 そ ういやなんかやけに髪が長くないか… ) そして彼は鏡をのぞき、 次の瞬間呆然とした…… 。 「 これ、ブルー… だよな……  おれ寝ぼけてんのかな…  」 この時彼は、 自分の声までブルーだと気づいている余裕が、 なかった。  しかししばらくすると、 少し心に余裕が出てきた。 そして、 ふと思いついた事… ( ……でも、 でもさ! 考えてみたらこの身体ならアイツくらい軽―くノせるよな。 ここんとこ やられてばっかりだし…… ) どうやら昂冶の考える癖がブルーの身体を手に入れて少 し脱線を始めているようで、 彼はそう考えたらもう止まらなくなっていた…… 。 「 ユウキィ………  まってろよぉ!! 」 かなり普段のブルーに近い笑みをうかべ、 ブルー( 昂冶 )はそうつぶやくと、 扉の向こうへ駆けていった…… 。 そのとき、 丁度目を覚ましたミシェル… 「 ふみゃあ…… ぶるう…… めじゅらし ぃ、 はやおきなん…て…… 」 …そうつぶやくと、 兄に抱き付いて再び眠ってしま った。                  ・・……………Aパート、end. (かわるにちじょうSERE2.2) 今日のランの目覚めは、 何かが違っていた。 普段味わった事のない肩こりに始まり、 胃もなんとなく痛い。 顔もまるで鉄仮面のように突っ張って、 固い。 ( まずいな… これでは作業に影響する… ) そう思った彼女は、 洗面室に足を運んだ。 寝ぼけまなこでそこが士官部屋の個室とは 気づかない。  ( ………………… なんだ、 まだ夢の中か。 ) 姿見にうつるヘイガ―。 確かに夢のようなシチュエーションだ。 「 あはは、 わたしも…… 」 ここまで言いかけて、 ランは青くなった。 ( 今のはたしかに… アイツの声???? ) 「 あーーー 」 試してみた。 「 あーべーせー… 」 また、 試してみた。 さっきと変わらない…… 。 ( うそだ、 これは何かの間違いだ!  そうに決まっている! ) 彼女は何とかこれが夢だという事を立証しようと頭を働かせていたが…… ビー、 ビー――ッ… ドアのインターホンが鳴る。  ( おや、 誰だろう…  !  そういえばなんで私は個室に…… )やっと気づいた らしい。 その内にインターホンは鳴り止み、 メッセージがあることを示すランプが 点滅していた。 おそるおそるボタンを押す……… 『 おはようございますシュタイン・ヘイガ―、 クライスです。 どうも、 昨晩はた のしかった… ええと、 朝のプレレクチャーで来ましたが、 おやすみでしょうか。 ど こかお加減でも… 取りあえずマニュアルに従い プラン C−11W で進めておきま すからご心配なく。…… 」 まだ続いていたが、 彼女には聞こえていない。 ( なんとか夢からさめないと…… ) 現実逃避気味にベッドにもぐりこむ、 ヘイガ―( ラン )……。