(えんかのはなみち) 「 ふあぁーーあ! 」  カレンの朝は早い。 地球でいうところの夜明け前には起きる。 当然、 祐希はまだ熟睡している。 夜更かしをするからなおさらだろう。 で、カレンの早起きが生かされるわけだ。 「 にひひぃ! こんな時でもないとこんなことできないもんねぇ 」 (チュ) じつはもうサードキスどころじゃないとは祐希も夢にも思ってないだろうが、 こうして起きると彼の唇をいただく!? のがカレンの日課になっていた。 「 さぁて! ねぼすけはおいといて、今日もチップ探しィ! 」 みんなが寝静まる中、ジャンクからチップを探すのだ。内蔵されている物もあるから、 結構確率は良かった。 きょうも、それらしきを2,3個見つけてきた。 「 ただいまぁ… て、どうせ寝てるわよね 」 「 ん…… 」 案の定、ひどい寝相で彼は寝息をかいていた。 「 あれ? なんだろ 」 よく枕もとを見ると、なにか置いてある。紙の箱だろうか… さっきは気づかなかった。 「 なんだろ、これ 」 じぶんの枕もとにあったとはいえ、開けてしまっていいものかすこぉし 悩んだが、いつも通りさっさとあけてしまう彼女。 「 後悔先に立たず! 」彼女の辞書にはそう言う意味でかかれているらしい… 「 ああ! これって探してたジャパニーズ・エンカのチップぅ 」 物々交換、ジャンクあさり、人づて… ありとあらゆる手段でもなかなか見つからない 珍盤である。意外にプレミア度も高いらしい。 「 でも、なんで? …なぁる! こいつめぇ! 」 と、突然祐希に襲いかかるカレン 「 こいつぅ! もーいじらしいったら 」 「 !!!!!! なんだぁ? ぶわはっよせ! てめぇ! いつもいつも起こすなっつってんだろー! 」 「 もー! あんたってやっぱサイコー!!! 」 少し嬉し涙のカレン。 「 たく、なんのことだかわかんねえよ。 …ねるぜ、こんどはおこすなよ 」 「 うれしがらせといて、もうしらけさせちゃうなんてほんと祐希らしいというか… 」 でも彼女はわかっていた。それが彼のバースデープレゼントだと言う事を。 「 へへ。だって祐希ぐらいだもん。あたしがエンカすきだって知ってるのは 」 きょう彼が起きてきたら、なんかおいしいものつくってあげよう! そう思って浮かれる、カレン・ルシオラ。