(2000年作 放映終了直後の熱気の中で。) それは、悪夢……  「 ブラティカ捕獲 」を巡る一連の作戦はおびただしい数の犠牲者を出し、 人をして 「 人類最大の愚行が再び歴史に書き加えられようとしている 」 とまで言われたほどである。 その犠牲者数は全作戦参加者の8割ともいわれ、その中には作戦総指揮官 コンラッド・ビスケスも含まれていた。勇猛果敢だった彼にはたった一人の 愛娘がおり、その名を アンジェ と言った。 実は彼女もまた軍人としてこの作戦に参加しており、皮肉にもひとり生き残る結果となった。 それからの彼女はまるで人が変わったようだったという。 何か執念のようなものだけで生きる、そんな悲しげな人間に…  その後、ブラティカはとある事件をきっかけにふたたび活動を始めることとなる。 いわゆる「 リヴァイアス事件 」の幕開けである。 そこに何が隠されているのかも知らぬまま、航宙士養成施設「 リーベデルタ 」の訓練生 の少年少女たちは、いつもと変わらぬ毎日を過ごしていた(はずだったが…) 彼らは急進派の強行な制圧作戦の展開にまきこまれ、なりゆきでこの施設内部に極秘裏に 隠匿されていた外洋型航宙可潜艦「 リヴァイアス 」に乗りこむ事となる。  「 彼 」はその時、 永い眠りから目覚めるように突如「 覚醒 」した。 リヴァイアスのクルーとなった彼らが、彼をスフィクス…すなわちヴァイア制御システムの 実体化した存在であると知るのは、まだまだ先の事であったが… 外見はメタリックなボディコンスーツに身を包む逞しい男。 たくわえた見事なひげがそれを際立たせている。  そう、その姿はまるで12年前の……  その頃、「 ヴェッカー 」作戦指揮官、アンジェ・ビスケスは可潜艇「 タンデル 」 内でこう呟いていた。 「 ゆるさない…… 父の敵、 ブラティカ! 」 そう、彼女は父の復讐の念でここまで来ていたのだ。